CP速報
2025年4月CP:2カ月連続で615ドル据え置き
3月27日に4月のアラムコCPが発表されました。3月と同じ615ドル。3月のMB平均値は、2月から30ドル下落して450ドルでした。


4月のCP:2カ月連続で615ドル。上げ要因と下げ要因が拮抗!
【原油市況】
3月はトランプ関税砲の影響で原油が下落
トランプ大統領の関税砲はカナダ、メキシコへの関税に続いて、日本を含むすべての国から輸出される自動車に対して一律25%の自動車関税が打ち出されました。
また、米国のトランプ大統領のために、主に米中貿易戦争拡大による経済悪化の懸念が強まっています。WTIは3月3日に70ドル前後だったのが、6日には5ドルほど下げて65ドル台に下落しています。まさに、トランプさんに踊らされています。
原油が下がればプロパンガスの輸入価格が下がり、プロパンガスの利用者にとっては好材料ですが、株価の大暴落など、皆さんにとっても人ごとではいられない状況になっています。今後どうなるのか、ちょっと目が離せません。
【LPガス市況】
CPはアジアの農業用需要が上げ要因となるも、WTI原油市況の軟化で据え置き
中国や韓国では、春先や気温の低い時に農業用ビニールハウスの温度管理にプロパンガスが使用されます。プロパンガスを使ったヒーターでビニールハウス内部を加温し、作物の発育環境を整えるのです。
この需要が高まるとの観測がCPを押し上げる要因でしたが、トランプ大統領の関税砲で世界経済が冷え込むとの見方と拮抗し、最終的に4月のCPは3月と同じ615ドルで据え置き価格となっています。
【米国MB市況】
3月のMB(モントベルビュー)平均値は、2月の480ドルから30ドル下げて450ドルでした。
MBは、トランプ大統領の関税砲で原油市況が軟化したため、中旬には435ドルまで下がりましたが、3月平均では2月比30ドル下落の450ドルとなりました。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。

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