CP速報
2025年11月CP:475ドルで前月比20ドル下落
10月30日に11月のアラムコCPが発表されました。10月比20ドル下落の475ドル。10月のMB平均値は、9月から24ドル下落の332ドルでした。


11月のCPは20ドル下落の475ドル。暖房需要期前もアジア需給の緩みで値下がり
【CP市況】
需要の立ち上がり鈍く、在庫高が重しに
- 前月比▲20ドルの475ドル
- アジアの需要立ち上がりに遅れ
- 日本・韓国の在庫高水準続く
- 原油安が心理的圧力に
11月のサウジアラムコCPは前月比20ドル安の475ドルです。通常なら冬場の暖房需要に向けて上昇に転じる時期ですが、今年はアジア地域の需要立ち上がりが鈍く、価格は下押しされました。
日本や韓国では在庫が高水準で推移し、現物市場の買付も抑制されています。加えて、原油相場の軟調がLPG市場の心理を冷やしました。サウジ側は供給安定を維持しつつも、実需に合わせた調整を行ったとみられます。結果として、季節要因よりも需給バランスを重視した値決めとなったようです。
【原油市況】
世界的な景気減速と増産見通しで下落基調
- WTI一時59ドル台に下落
- 中国・欧州の経済減速続く
- 米国も需要一服
- OPECプラスの増産見通し
原油市場は10月後半から11月にかけて下落基調となりました。WTI原油は一時59ドル台まで値を下げ、年初来の安値圏に接近しています。背景には、中国・欧州を中心とした景気減速が続き、エネルギー需要の伸びが鈍化していることがあります。
米国でもガソリンやディーゼルの消費が落ち着き、需給は緩み気味です。さらに、OPECプラスの増産観測が上値を抑えました。地政学リスクは残るものの、実際の供給に大きな混乱がないことから、価格押し上げ要因としては機能していません。
【米国MB市況】
在庫増と原油安が重なり、22ドル下落の332ドルに
- 平均値:356ドル→332ドル(▲22ドル)
- 国内在庫は引き続き高水準
- 石油化学向け需要が弱含み
- 輸出は堅調も相場を支えきれず
米国モントベルビュー(MB)市場では、前月356ドルから24ドル下げた332ドルでした。
国内プロパン在庫は依然として高水準にあり、需給バランスは緩んだ状態が続いています。
一方で、アジア向けの輸出は堅調を維持していましたが、原油相場が下落したことで市場全体の心理状態が悪化。結果として、輸出需要だけでは価格を支えきれず、MB市況は22ドルの下落となりました。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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