CP速報
2025年12月CP:495ドルで前月比20ドル上昇
11月30日に12月のアラムコCPが発表されました。11月比20ドル上昇の495ドル。11月のMB平均値は、10月から24ドル下落の308ドルでした。


12月のCPは20ドル上昇。アジアの冬需給とスポット持ち直しで反発
【CP市況】
冬の先行確保が入り、CPは上向きに
- 前月比+20ドルで上昇
- アジアで冬需要を意識した買いが増加
- 日本・韓国は在庫高でも「先行確保」優先に
- スポットの下げ止まりが支援材料
12月のサウジアラムコCPは前月比20ドル上昇となりました。
11月は需要の立ち上がりが鈍く在庫余剰が意識されましたが、12月は冬場の実需(暖房・業務用)を見込み、アジアで先行確保の動きが入りやすい局面です。
日本・韓国では在庫は高めながらも、寒波リスクを警戒して買付けを急ぐ動きが出ると、スポット市況は下げ止まりやすくなります。結果として、需給の緩みが後退し、サウジ側も市場実態を反映してCPを反発させたようです。
【原油市況】
WTIは横ばいで、国際指標は相対的に底堅い
- WTIは57〜58ドル近辺中心で推移(60ドル超は一時的)
- 景気不安で上値は重い
- 一方、ブレント/ドバイなど国際指標は相対的に底堅くなりやすい
- 原油は「急騰ではなく下げ止まり」
原油市場は11月後半〜12月にかけて、WTIベースでは大きな戻りは見られず、概ね横ばい圏で推移しました。
また、米国内需給の影響を受けやすいWTIに比べ、海上取引の色が濃いブレント/ドバイなど国際指標は相対的に底堅く推移しやすく、アジアのエネルギー調達コスト面では下支え要因となっているようで、総じて原油は「下げ止まり」に近い環境でした。
【米国MB市況】
11月は24ドル下落、在庫高と需要鈍化で軟調
- 10月332ドル→11月308ドル(▲24ドル)
- 国内在庫の余剰感が重荷
- 石油化学向け需要も強くない
- 輸出があっても相場を支えきれず
米国モントベルビュー(MB)市場は、10月平均の332ドルから11月平均は24ドル下落し、308ドルでCP市況とは逆に軟調な推移となりました。
背景には国内在庫の余剰感があり、需要期入り前のタイミングでは買いが入りにくい局面です。加えて石油化学向けの引き合いが強まりきらず、国内需給が緩みやすい状態が続いたようです。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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