2020年10月のCP
2020年10月CPは375ドルで9月比10ドル上昇
9月30日に10月のサウジアラムコCPが発表されました。9月の365ドルに対して10ドル上昇の375ドルです。東南アジアでの堅調な需要が下支えになっているようです。
世界の経済停滞もプロパンの需要が堅調
需要期に向けて底堅く推移
10月のプロパンガスCPが9月比10ドル上昇して375ドルになりました。
米国やヨーロッパで新型コロナウィルスの感染が再拡大している中で、10ドル上昇と言えばわずか2.7%ではありますが、秋冬の需要期になってきたので例年通りの動きではあります。
プロパンガスのCPは通常春から夏にかけて最も下がり、秋口から上昇を始めます。そして真冬にピークを迎えたあと徐々に下がり7月・8月頃に最安値を迎えるという繰り返しです。年によって多少のデコボコはありますが、大きな流れは変わっていません。
特に最近の4〜5年は、上記グラフを見てもその傾向が強いように思います。
また、この4〜5年はCPが比較的安定しており、昔のように1,000ドルを超えるようなことがありませんが、この辺の事情を推測してみたいと思います。
2018年度のプロパンガス輸入元1位は?
あなたは、日本が輸入しているプロパンガスの輸入元第1位はどこだと思いますか?
サウジアラビアとかクウェートなど、中東の国々を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに昔はそうでしたが、最近はガラッと変わってしまいました。
2018年度の輸入元第1位は何と米国です。それも全体の約7割、正確には69.6%が米国からです。中東のUAE(アラブ首長国連邦)が第2位で9.0%、サウジアラビアは6.2%で第3位に甘んじています。
なぜかはお分かりだと思いますが、シェールオイル・ガスですね。
このシェールオイル・ガスのおかげで、プロパンガスのCPが安定してきたと言っても過言ではないと思います。今や世界一の産油国になった米国のおかげで、原油価格が非常に下がっています。サウジなどOPEC諸国は油価を上げたいけど、市場価格が上がればドッと米国が増産します。
そうなると当然ダブつくので下がります。これを防ぐためにOPECプラスは協調減産を行って価格の安定を図っているものの思い通りにはなっていません。
しばらくはこのような状況が続くと思われますが、新型コロナウィルスの動向やシェールオイル・ガスの掘削リグ数の推移などに注意していきたいと思います。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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