CP速報
2024年4月CPは615ドルで3月比15ドル下落
3月31日に4月のサウジアラムコCPが発表されました。3月の630ドルから15ドル下落の615ドル。3月のMB平均値は、2月の472ドルから56ドル下げて416ドルでした。
需要期終了もウクライナのロシア製油所攻撃などで15ドル下落に留まる
季節要因によるCP下落を、ウクライナのロシア製油所へのドローン攻撃が打ち消す
イスラエルとハマスの戦闘に加えて、イランによる報復攻撃が現実味を帯びてきました。
そんな状況の中、さらに原油価格に悪影響を与えているのがウクライナ問題です。
このところ、ウクライナ軍はロシアの製油所を狙ってドローン攻撃を強化しています。ロイターも4月5日の配信でNATO(北大西洋条約機構)当局者からの情報として下記のように伝えています。
"ウクライナはここ数ヶ月にロシアの製油所やエネルギー施設を攻撃し、一部はロシア領内に1000キロ入った場所に到達した。NATO当局者はこうした攻撃について「おそらくロシアの精油能力の10%以上を混乱させただろう。15%以上かもしれない」と述べた"
ロシアは米国、サウジアラビアに次いで世界第三位の原油産出国であり、ロシアの製油所の稼働率が10〜15%低下することは大きな影響力があります。
現在プロパンガスの需要期を過ぎ、本来ならグッとCPが下がっても良い時期ですが、あまり下がらない原因はロシアの原油供給量の減少にあります。
MBは需給の緩和により56ドル下げて416ドル
3月のMB平均値は、2月の472ドルから56ドル下げて416ドルでした。
1月の大寒波の影響で製油所稼働率が低下していた米国市場ですが、急激に回復しプロパンガスの供給も増加に転じています。
暖房需要期が過ぎて需要も減少し、プロパンガスの在庫減少に歯止めがかかり、需給が緩和。3月のMB(モントベルビュー取引価格)も56ドル下がりました。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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