CP速報
2023年6月CPは450ドルで5月比105ドル下落
5月30日に6月のサウジアラムコCPが発表されました。5月の555ドルから105ドル下落の450ドル。また、5月のMB平均価格は、4月の421ドルから87ドル下げて334ドルでした。


CPは先月比105ドル、MBも87ドル下落!
サウジとインドの国内事情がCP下落に大きく関係している
①サウジの国内向けプロパンが輸出に回ったことで供給過剰感
5月のサウジアラビアのプロパンガス輸出量が増えたことが、CPの下落につながったようです。
なぜ増えたのか?それは、サウジ国内の石油化学設備のトラブルが原因のようです。現在は、ポリプロピレンなどを製造するためにはプロパンガスが原料として使われます。
しかし、その製造設備にトラブルが発生し、5月の中旬まで修繕作業が行われていました。すると、修繕作業の間はプロパンガスを原料として使用することが出来ないので、それらは輸出に回ります。サウジの輸出量が増加すれば中東産のプロパンガス全体の供給が潤沢になります。
プロパンガスに限らず、すべての商品の価格は需要と供給のバランスで決まるので、CPは下がることになります。
サウジのプロパンガス輸出量は過去3年間で最大になり、中東からのプロパンガス輸出量も対前月比で増加し、それがCP下落の大きな要因になりました。
②インドはプロパンガスをあまり買わなくなっています
中国もそうですが、インドもあまりプロパンガスを輸入しなくなりました。
なぜなら、裏ルートがあるからです。そうです。ロシアから直接原油をこっそり安く買い叩いているのです。しかもインドの製油所の稼働率は高いです。
インドの人件費なら、外国から精製されたプロパンガスを輸入するより、格安で原油をロシアから買って、自国で精製してプロパンガスにしたほうが安くつくのでしょう。
中国もインドも制裁破りをしているので、ウクライナからすると許せないでしょうが、日本としてはプロパンガスが本来もっと高騰しても仕方ないのに、そうならないことは歓迎すべきことなのか悩ましいところです。
ただ、その分プロパンガス消費者が本当に安く利用できているかというと疑問です。日本でも規模の大きさでは代表的なガス会社が決算を発表していましたが、増収増益だったとのことです。
あるガス会社の方は、「これだけ色々な物価が上がっている中で、あり得ないだろう」と言っていましたが。
末端価格にはなかなか還元されないようですね。
MBの低迷も高水準在庫が要因
5月の平均MBは、4月の421ドルから87ドル下げて334ドルでした。
米国の輸出は引き続き好調でしたが、暖冬だったことと、不需要期に入ったため需要は低迷しました。在庫は前月までは減少していたものの、5月は一転増加に転じたとのことです。
昨年の5月のMBは639ドルだったので、昨対比52.3%。非常に低い水準になっています。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
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