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2023年5月のCP

2023年5月CPは555ドルで4月と同じです

4月30日に5月のサウジアラムコCPが発表されました。4月の555ドルと同じ555ドル。また、4月のMB平均価格は、3月の413ドルから8ドル上げて421ドルでした。

4月=555ドル
5月=555ドル(0.00%→)

サウジアラムコCP推移
サウジアラムコCP推移

CPは先月と同じ555ドルで、MBはやや上昇の421ドル

OPECプラスのサプライズ減産も米中の景気減速懸念で相殺

①OPECプラスのサプライズ減産も影響はなし

4月初旬に、OPECプラスがサプライズの減産を発表しました。

内容は、5月から12月末までの期間、サウジとロシアの原油産出量を1日あたり合計165万バレル引き下げるというもの。この減産量は、従来分の200万バレルと合わせると365万バレルにもなり、実に世界需要の3.7%に相当します。

この発表を受けてWTI原油先物(原油価格の代表的な指標のひとつ。ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されている)は、83.26ドルまで高騰しましたが、この原稿を執筆している5月10日現在は73ドル程度まで下がっています。

一時原油価格は高騰したものの、中東のクウェートやカタールなどからスポット販売が潤沢にあったため、結果的にCPにはほとんど影響がなかったようです。

②米中の景気低迷懸念がCPの上昇を抑えた

5月3日、FOMC(米連邦公開市場委員会)は0.25%の利上げを決定しました。これにより米国の政策金利(日本なら日銀など、その国の中央銀行が民間の銀行に貸し出す際の金利)は、5.00−5.25%まで上昇しました。

米国は、インフレと高金利環境の中頑張ってきましたが、最近は景気の冷え込みと原油需要の減少が懸念されるようになってきています。

また、世界第2位の経済大国である中国も「ゼロコロナ」政策を終了し経済政策に力を入れているものの、その回復は順調ではないようです。

ニュースによると、4月の貿易数値が予想以上に悪化しています。輸入は昨年同月比で7.9%減少。輸出も昨年同月比では8.5%増加しましたが、今年3月の14.8%増からは大分後退しています。

OPECプラスがサプライズ減産したのにも関わらずCPとMBが前月比同様になっているのは、米中の経済の先行きが決して明るいものではないと見られている証明のようです。


MBの低迷も高水準在庫が要因

4月の平均MBは、3月の413ドルから8ドル上げて421ドルでした。

米国市場のMBは輸出は好調。需要も順調で在庫も減少しているとのことです。ただ、在庫が超低水準だった昨年と比較すると前年同期比150%もあることから、上昇したもののわずかだった理由のようです。



この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会

代表理事 鈴木 秀男

  • 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。

1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。



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