2023年12月のCP
2023年12月CPは610ドルで11月比横ばい
11月30日に12月のサウジアラムコCPが発表されました。11月の610ドルと同じ610ドル。また、11月のMB平均価格は、10月の355ドルから21ドル下げて334ドルでした。
暖冬観測と景気減退で需要期ではあるが前月比横ばい
世界的な暖冬観測と景気減退
今年の12月から来年の2月までの長期予報が気象庁から発表されました。
それによると、暖冬になる確率が高いようです。今年は3月から異常な高温が続きました。3月中旬に東京で桜が咲き、12月になっても異常は継続していて12月16日(土)には最高気温が22度になりそうです。
平年だと22度というのは5〜6月から9〜10月頃の陽気だそうですので、いかに異常かがわかります。
色々調べてみると、これは日本だけの問題ではなく、後述する「パナマ運河」のように世界的な問題のようです。
あと、中国のPDH事業や石油化学向け事業も芳しくないことから、12月という需要期なのに先月と同じ610ドルという横ばいになったと言えます。
干ばつに伴うパナマ運河船舶通峡制限で中東産ガスの需給逼迫懸念
現在、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河が干ばつのため、通峡できる船舶の制限がはじまっています。
10月末迄は、毎日36隻が航行できていましたが11月1日からは31隻になり、乾期を迎える来年2月からはさらに18隻に激減します。今回の干ばつは記録的なものです。10月1カ月の雨量が1950年以降で一番少なくなっています。
この干ばつは、今年発生したエルニーニョ現象の影響だと言われています。日本でも春から冬に入った今でも異常気象続いていますが、中米でも大きな影響が出ています。ここで、パナマ運河に干ばつが起きると中東産プロパンガスが値上がりする理由をご説明します。
パナマ運河の代替ルートとしては、喜望峰経由もあるもののスエズ運河が主流だそうです。
しかし、パナマ運河経由と比較してかなり遠回りになるため船賃が相当高くなりつつあります。それを嫌って米国産のプロパンのキャンセルが相次いでおり、その分が中東産プロパンガスの需要増加につながるのでCPが高騰するのです。
MBは原油下落と在庫増で21ドル下げの334ドル
11月のMB平均価格は、10月の355ドルから21ドル下げて334ドルでした。
米国市場は、前述しましたが干ばつの影響によるパナマ運河の通峡船数削減のあおりでタンカー運賃が急騰しています。これを嫌い日本や韓国などは米国産プロパンガスのキャンセルも選択肢に入れているようです。
MBは、船賃高・原油市況の下落・在庫高の三重苦で下落しています。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。
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