CP速報
2025年6月CP:600ドルで前月比10ドル下落
5月29日に6月のアラムコCPが発表されました。5月比10ドル安の600ドル。5月のMB平均値は、4月から62ドル安の382ドルでした。


6月のCPは10下落。OPECプラスの増産と世界的な景気減速 懸念で!
【原油・プロパンガス市況】
増産の影と景気減速懸念が交錯、原油価格は弱含み
WTI原油は一時60ドルを割り込む面も見られ、原油安に連動する形でプロパンガスのCPも5月比10ドル下落の600ドルとなりました。
背景には、OPECプラスによる供給増の動きに加え、米中経済摩擦の再燃による世界的な需要減速懸念が重なりました。
また、トランプ大統領による対中関税の再強化姿勢も市場心理を冷やし、原油・LPGともに下押し圧力がかかった形です。
【米国MB市況】
5月のMB(モントベルビュー)平均値は、4月の444ドルから62ドル下げて382ドルでした。
モントベルビュー・プロパンスポット価格は、原油市況がOPECプラスが増産姿勢を示すなど軟化しているのを受けて、月間平均では前月比62ドル下落の382ドルとなっています。
【イスラエルとイランが交戦】
原油とCPの上昇圧力が当面続く可能性が強い
中東は世界の原油供給の要所であり、特にホルムズ海峡は日量2,000万バレル超の原油が通過しています。
万一、海上輸送に支障が出れば、原油価格は一気に100ドル台へ向かう可能性もありそうです。そうなれば、現在比較的落ち着いている一般家庭用のプロパンガス料金も値上げ必至です。
ただし、米国やサウジアラビアが増産姿勢を示した場合、上昇には一定のブレーキがかかる可能性もあります。
CPは原油価格と一定の連動性があるため、原油が急騰すれば翌月のCPも上昇しやすくなります。そうなった場合、プロパンガス業界は「天の恵み」とばかりに小売り価格を値上げしかねないので価格のウォッチが必要です。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。

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