CP速報
2025年10月CP:495ドルで前月比25ドル下落
9月30日に10月のアラムコCPが発表されました。9月比25ドル下落の495ドル。9月のMB平均値は、8月から9ドル上昇の356ドルでした。


10月のCPは25ドル下落の495ドル。需要回復の遅れと原油安が重なり下落
【CP市況】
アジアの需要停滞と在庫余剰が重なり弱含み
- 前月比▲25ドルの495ドル
- 中国・インドの買付低調
- 日本・韓国の在庫高続く
- 原油安が下押し圧力
10月のサウジアラムコCPは前月比25ドル安の495ドルとなりました。最大の要因は、アジア地域のLPG需要の弱さです。中国では製造業の減速と不動産市況の停滞が続き、買付量が伸び悩みました。インドも季節的要因から需要が落ち着き、日本や韓国では依然として在庫が高水準を維持。
さらに、原油相場の軟化がLPG価格にも波及し、需給両面から下押しされる形となりました。サウジ側も現物市場の軟調を踏まえ、需給バランスに合わせた調整を行ったようです。
【原油市況】
OPECプラスの増産と景気減速懸念で軟調推移
- OPECプラスが段階的増産
- 中国・欧州の景気鈍化
- 米国の需要も一服
- WTI一時62ドル台まで下落
原油市場は9月後半から10月にかけて軟調に推移しました。OPECプラスが段階的な増産方針を維持する中、中国や欧州の景気減速懸念が強まり、需要見通しを下押ししています。
米国でもガソリン消費の伸びが鈍化し、需給バランスが緩みました。WTI原油は一時62ドル台まで下落。中東情勢の緊張は続くものの、供給への影響が小さく、地政学リスクによる価格押し上げは限定的にとどまりました。結果として、LPG価格にも下押し圧力が波及しています。
【米国MB市況】
輸出の増加と国内在庫調整で小幅上昇
- 平均価格は前月比+9ドルの356ドル
- アジア向け輸出が高水準
- 在庫はやや調整局面へ
- 国内需要は引き続き低調
米国モントベルビュー(MB)市場では、前月347ドルから9ドル上げた356ドルでした。
これは、アジア向け輸出が高水準で推移したことが上昇要因です。中国・日本・韓国などの買付が堅調に続き、米国湾岸からの出荷量が増加しました。
一方で、国内では依然として在庫が高めに推移しており、石油化学向け需要も限定的です。とはいえ、夏季の高在庫状態からやや調整が進み、需給バランスは改善傾向。総じて、MB価格は堅調な範囲での推移となりました。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。

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