CP速報
2025年9月CP:520ドルで前月比±0
8月31日に9月のアラムコCPが発表されました。8月比±0の520ドル。8月のMB平均値は、7月から21ドル安の347ドルでした。


9月のCPは±0の520ドル。需要低迷と供給リスクが拮抗
【CP市況】
在庫余剰は続くも、中東リスクの意識で
- 前月比±0で520ドル
- 中国・インドの需要回復鈍い
- 日本・韓国の在庫は高水準が続く
- 中東リスクで下げ渋り
9月のサウジアラムコCPは前月と同じ520ドルで据え置かれました。背景には、中国・インドの需要が依然として弱く、アジア全体でスポット市況が軟調な点があります。
また日本や韓国では在庫が高水準にある一方で、中東情勢の不透明感は続き、イスラエル・イラン間の緊張が供給リスクとして意識されています。このためサウジは大幅な下落には踏み切らず、需給バランスと地政学要因を勘案した結果、520ドル据え置きとなりました。
【原油市況】
景気懸念と供給不安が交錯し小動き
- 中国・欧州の景気減速続く
- 米経済指標も軟調
- OPECプラスは増産姿勢
- 中東リスクが下支え
原油市場は8月後半から9月にかけて方向感の乏しい展開となりました。中国や欧州の景気減速懸念が強く、需要見通しを押し下げています。
米国でも製造業指標や消費関連データが軟調で、需要鈍化の懸念が相場を圧迫しました。一方で、OPECプラスの増産姿勢が上値を抑えつつ、中東での地政学リスクが一定の下支えとなり、原油価格は大幅安を回避。
WTIは60〜65ドル台を中心に小幅な値動きにとどまり、結果としてLPG市場にも横ばい要因として働きました。
【米国MB市況】
輸出堅調も在庫増が重荷で横ばい
- 輸出は高水準を維持
- 在庫は例年を上回る水準
- 夏季需要一巡で軟調
- 相場は横ばい傾向
米国モントベルビュー(MB)市場では、前月368ドルから21ドル下げた347ドルでした。
米エネルギー情報局(EIA)の統計では、プロパン在庫は例年を上回る水準を維持しており、夏季需要が一巡したことで余剰感が強まっています。
石油化学向けの需要も依然として鈍く、国内需給は緩んだ状態です。ただし需給全体が極端に悪化したわけではありません。このため、MB価格は小幅下落での推移となりました。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。

2025年のCP
2024年のCP
2023年のCP
2022年のCP
2021年のCP
2020年のCP
2019年のCP
2018年のCP
2017年のCP
2016年のCP
2015年のCP
2014年のCP
2013年のCP
2012年のCP
