CP速報
2025年7月CP:575ドルで前月比25ドル下落
6月29日に7月のアラムコCPが発表されました。6月比25ドル安の575ドル。6月のMB平均値は、5月から8ドル高の390ドルでした。


7月のCPは25ドル下落。アジア需要の低迷と高在庫で!
【原油市況】
中東リスク残るも、需要鈍化で価格は調整
中東では、依然としてイスラエルとイランの緊張が続いています。しかし、心配されていたホルムズ海峡の封鎖は、イランの国会で承認されたものの実施には至りませんでした。
そのため、原油の供給には目立った混乱がなく、市場で過剰なリスクを織り込むこともありませんでした。また、中国や欧州の景気減速を背景に、原油需要が想定ほど伸びておらず、WTI原油は一時65ドル台まで下落。
地政学リスクと実需の綱引きのなかで、原油価格はやや軟調に推移しています。
【プロパンガス市況】
需要停滞と在庫余剰でCPは大幅安
7月のサウジアラムコCPは前月比25ドル安の575ドルとなりました。
背景としては、アジア地域、とくに中国・インドの経済低迷によるLPG需要の鈍化と、在庫の積み上がりが挙げられます。日本・韓国でも高水準の在庫が続き、現物市場での買付け意欲が低下。
こうした需給緩和がCPの押し下げ要因となりました。今後は夏場の需要回復と、中東情勢の実質的な影響に注目が集まりそうです。
【米国MB市況】
米国モントベルビュー(MB)市場では、6月の平均値が390ドルになりました。5月が382ドルだったので8ドルの上昇です。
モントベルビュー・プロパンスポット価格は、原油市況の急騰を受けて425ドルまで上昇したものの、第4週に原油市況とともに軟化し、375ドルまで下落。月間平均では前月比8ドル反騰の390ドルとなっています。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者

一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。

2025年のCP
2024年のCP
2023年のCP
2022年のCP
2021年のCP
2020年のCP
2019年のCP
2018年のCP
2017年のCP
2016年のCP
2015年のCP
2014年のCP
2013年のCP
2012年のCP
