皆さん、普段どのようにして洗濯物を乾かしていますか?一般的にはベランダや庭に干す"天日干し"が圧倒的に多いと想像できますが、最近では雨の日はもちろん、花粉の季節や黄砂、PM2.5などの大気汚染が気になる日の洗濯も安心かつ乾かす手間を短縮できると、乾燥機を導入する家庭が増えています。
乾燥機は大きく電気式とガス式に分かれます。
電気式は、工事なしで簡単に設置できるうえ本体価格も比較的リーズナブルです。ガス式に比べると乾燥に時間がかかりますが、一般的に普及しているのはこの電気式です。
ガス式は、都市ガスやプロパンガスの高い熱量を利用して衣類を乾燥させるタイプです(「プロパンガスと都市ガスの違い」参照)。短時間で衣類が乾くのが最大の魅力です。
洗濯物を外干しする時間が惜しい共働きの家庭、花粉症で外干しできないという家庭にはガス乾燥機が適しているといえそうです。では、具体的にガス乾燥機について調べてみましょう。
街中でよく見かけるコインランドリー、クリーニング店のほとんどがガス乾燥機を使用しています。業務用に採用されるわけですから、電気式乾燥機に比べてガス乾燥機には優れた点が多くあります。
ガス乾燥機が電気式と大きく異なる点は乾燥までのスピードです。ガスの高い熱量で衣類が早く乾きます。5kgの洗濯物を洗濯乾燥機で乾かす場合2時間以上かかりますが、ガス乾燥機だと50分程度で乾くので半分以下の時間短縮が可能です。
ガスの強い熱量で温風をしっかり送り込みながら乾燥させるので、繊維が根元から立ち上がりふっくら仕上がります。天日干しでは、布の繊維が寝たまま乾くのでゴワゴワした肌触りが残りやすいです。特にタオルのふっくら感を出すには乾燥機に勝るものはありません。
排気ガス、黄砂、PM2.5や花粉症対策を考えるなら乾燥機が有能です。アトピーや呼吸器官の症状で悩みのご家庭にも最適です。高温パワーのガス乾燥機を使えば、室内干しのカビやダニ発生の心配もありません。
衣類5kgの洗濯物を乾燥させる際の光熱費を調べてみると、ガス乾燥機の乾燥時間は電気式の3分の1。さらにコストは3割も安くなります。毎日1回乾燥機を使用したとしても、月に2,000円程度の光熱費です。天日干しする手間を考えると忙しい人には魅力的です。
では、他の乾燥機と比べてみましょう。
約5kgの洗濯物で比較
乾燥機 種類 | コスト | 乾燥時間 |
---|---|---|
衣類乾燥機 (電気) |
約92円 | 約180分 |
衣類乾燥機 (都市ガス) |
約40円 | 約50分 |
衣類乾燥機 (プロパンガス) |
約90円 | 約50分 |
洗濯乾燥機 (ドラム型ヒーター) |
約48.7円 | 約150分 |
洗濯乾燥機 (ドラム型ヒートポンプ) |
約23円 | 約98分 |
洗濯乾燥機 (縦型ヒーター) |
約50.7円 | 約189分 |
浴室乾燥機 (電気) |
約125円 | 約140分 |
浴室乾燥機 (都市ガス) |
約58円 | 約70分 |
浴室乾燥機 (プロパンガス) |
約130円 | 70分 |
(参考:TOTO調べ資料より)
最速はガス乾燥機、最安はドラム型ヒートポンプ洗濯乾燥機です。
よほど広い脱衣所でなければ、専用ラックを取り付けて、洗濯機の上のスペースに置くしかないでしょう。人気のリンナイ「乾太くん」の5kgタイプの本体サイズをみてみると[横幅654mm×奥行545mm×高さ684mm]。かなり場所を取るので、それなりの圧迫感が出てしまいます。
ガス乾燥機本体と取り付け工事費用の総額は150,000~200,000円(本体価格:10万円強、工事費用一式5万~8万円前後)というのが相場。
置き場所にもよりますが、状況によって別途の部材が必要になることがあるので、このくらいは必要になると考えておきましょう。オール電化のお宅や集合住宅の場合には、さらにガス配管工事も考えなければなりません(「オール電化とプロパンガス」参照)。
コストパフォーマンスは高いガス乾燥機ですが、高額な初期投資が購入を迷わすハードルです。
ガス乾燥機には、洗面所や脱衣所などに置く「室内タイプ」とベランダや軒下などに置く「屋外タイプ」に分かれます。いずれもガス器具ですから当然ガス配管工事が必要になります。
屋内に設置するための「壁貫通式工事」は、外の壁に穴をあけて排湿筒を通して屋外に湿気を逃がす方法です。必ずしも洗濯機の上に設置できるわけでもないので事前確認が必要です。
また、住まいがアパート、マンションであれば全体の構造に関係する大掛かりな工事になるため、物理的に不可能なケースも多いようです。
一方、ベランダや庭など屋外の壁に設置するための「ベランダ設置式工事」は、乾燥機本体を屋外に設置するので排気の問題が軽減できますが、騒音問題や故障になりやすいのであまりおすすめできません。
ガス乾燥機についてみてきましたが、特におすすめしたいのがリンナイの「乾太くん」です。他社製品に比べてクオリティが高いと、ユーザーから高い評価を得ています。
8㎏の洗濯物を約80分、5㎏の洗濯物を約52分で乾燥。電気式の約1/3の時間で済むので、大幅な時間短縮可能。本体上部の排湿筒から確実に湿気を屋外に放出するので、室内にこもる心配がない。
約5kgの洗濯物で比較
乾燥機 種類 | コスト | 乾燥時間 |
---|---|---|
衣類乾燥機 (電気) |
約32円 | 約169分 |
衣類乾燥機 (都市ガス) |
約63円 | 約52分 |
衣類乾燥機 (プロパンガス) |
約51円 | 約52分 |
参考:リンナイ調べ資料より
1 ガスならではの経済性
1回の乾燥コストは5kgで63円、1ヶ月毎日使っても約1,950円と経済的。
2 生乾き臭をカット
80℃以上の温風で乾燥させるので、天日干しでも除去できない臭いを取り除ける。
他にも「乾太くん」であれば、繊維の根元からふんわり仕上げ、大風量でシワを軽減できることや、靴の乾燥が可能、メンテナンスが簡単など主婦に嬉しい機能が満載です。
気になる価格ですが、ラインナップは5kgタイプと3kgタイプがあり、メーカー希望小売価格は、5kg:138,000円、3kg:90,000円(税別)です。ネットなどで本体だけを購入すれば、3割程度安く購入できるかもしれません。
先にも触れましたが「乾太くん」もガス器具です。設置は資格を持った人の工事が必要です。専門の方に設置してもらいましょう。
乾燥機のメンテナンスとして一番重要なのが"フィルターの掃除"です。フィルターが目詰まりすることで乾燥機能に支障が出て十分乾燥ができないこともあります。エラーが起こる前に定期的に掃除を行うことをおすすめします。
特に糸くずなどのゴミが詰まりやすくなるので、ネットフィルターとその下にある不織布フィルターは、乾燥機能を使用するたびに掃除を心がけましょう。
ネットフィルターの掃除方法は、柔らかいブラシなどのようなものでゴミを取り除いてください。不織布フィルターは、小型掃除機か柔らかいブラシでほこりを取り除いてください。水洗いしてしまうと目詰まりを起こす原因となりますので注意が必要です。
乾燥効率が悪くなると乾燥時間が余計にかかりガス代に響いてしまいます。また、加熱が原因で事故につながることもあります。高価な乾燥機ですから、正しい掃除の仕方をマスターして、長年愛用したいものです。
乾燥時間が短くて、ランニングコストも安く抑えたい!何より毎日の洗濯物干しの時間がもったいない!とお考えの家庭におすすめしたいのがガス乾燥機です。コインランドリーの大型の乾燥機がほとんどガス乾燥機なのも納得できます。
電気式に比べて、ガス乾燥機は設置の際の費用と制約がネックで普及してはいませんが、非常に優秀な乾燥機です。設置前に販売店と確認しながら、ご家庭のニーズに合わせた乾燥機選びをしてください。
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