最近この地区の我が社のお客様宅を訪問し、
「今よりもっと低価格のガス会社に替えませんか?」という某ガス会社のブローカーが出没しています。
かなりの低価格を提示して切り替えの勧誘をしていますが、低価格なのは契約当初だけで、必ず値上げをするので騙されないようご注意下さい。
今後も我が社(A社)とのお付き合いを継続して頂きたく心よりお願い申し上げます。
M子さんはこれまで12年間ずっとガス会社のA社と契約をしていましたが、特に不満もありませんでした。今さらガス会社を変えるのも手続きなどが面倒くさそうだし、もし変えてしまってトラブルが起きるのも怖ろしい。
そもそも、プロパンガスの料金を下げる方法なんてあるの?
などと思って、チラシを見たときは、別にこのままでいい!
と考えていました。
その後、こんなチラシのことなどすっかり忘れていたある日、M子さんの家にピンポーンと、誰かが訪問してきました。
「今よりもっと低価格のプロパンガスを供給できる我がB社に替えませんか?」
意外にも20代前半の若い女の子の営業さんです。
ついに来たか!これが噂の悪徳業者か!!とM子さんは思いながらも、庭先で軽く応対してさっさとお断りするつもりでした。
しかし、彼女の人懐っこくなれなれしい感じに圧倒され、いろいろ話し込んでいるうちに、M子さんはこれまで知らなかったいろいろな事実を知るに至りました。
なんと彼女はM子さんに成りすまし、A社に電話して住所と名前を告げ、M子さん宅に供給されているガスの単価と基本料金を聞き出してくれました。そして電話が終わると、
そもそも、プロパンガスは公共料金ではなく自由料金なので、地域や販売店によってプロパンガスの料金設定には開きがあります。M子さんもこれくらいのことは知っているつもりでしたが、まさか自宅のガス単価がこんなに高いとはつゆ知らず、かなりのショックを受けてしまいました。
ここから、ガス会社B社の営業さんの真骨頂ともいうべき怒涛の営業攻勢が始まります。
しかし、M子さんは、先日ポストに入っていた現在契約中のガス会社A社から届いたチラシを思い出しました。最初は230円という安い値段で勧誘しておいて、その後すぐに値上げするという事実。
しかしこれに対するB社の言い分としては、原油価格が上がればどこのガス会社も同じように値上げしますが、決してうちはA社ほど高くなることはありません・・・ということでした。
ガスは毎日使うものです。冬ともなると特にたくさん使います。M子さんは1日でも早く切り替えないとどんどん損するような気がしてきました。
そういうわけで、M子さんはなんとその日のうちに、「ガス供給申込書・切り替え業務委任状」というものに印鑑を押してしまったのです。 しかし、この段階ではまだ、単なる申し込みであって正式な契約ではありません。このことが幸いしてM子さんは後々、救われることになるのですが・・・・・・
さて、印鑑を押した書面をB社の営業さんが持って帰ってから、M子さんはすぐに、これから新しく契約しようとしているガス会社B社の評判をネットで検索してみました。すると、なんとこのB社へのクレームがネット上で火を噴いていたのです。M子さん、ビックリ仰天です。
そしてM子さんは、はたと気づくのです。
そういえば口頭では、単価230円で基本料金1,500円ですと言ってくれたけれど、B社の営業さんはそのことを書面に一切残してはくれませんでした。これはいわゆる口約束です。当たり前ですが、あとあと何かあったときにはなんの効力も持ちません。
不安になったM子さんはすぐに、さっきの営業さんにもらった名刺を取り出してB社に電話をかけました。ネットで調べて知ったB社の悪評を話し、とても信用できないからハッキリと230円と書かれた契約上の書面を持ってくるように頼みました。
飛んで戻って来たB社の営業さんは、平身低頭しながら料金の書かれた書面とやらをM子さんにおずおずと差し出してきましたが、なんとそれは、玄関先で電卓片手に料金計算をしたメモの紙切れなのでした!!!
開いた口が塞がらないとはこういうことをいうのでしょうか?
M子さんはしばらくあっけにとられていましたが、すぐさま落ち着きを取り戻してこう切り出しました。
それでも営業の彼女はしつこく食い下がってきます。
本当にうちは230円で皆さんに契約していただいているんですから信用してくださいよ!ともっともらしくたたみかけてきます。
そこで、M子さんはとうとうネットで調べたB社の悪評を本人にぶちまけてみました。すると、さすがに悪評高いB社だけあって、消費者からのクレームにも備えは万全です。裁判沙汰になった事件の読売新聞のコピーをファイリングして携帯しており、M子さんに見せながら、こんなうまいことを言うのです。
そんな話が信じられますか?
嫌がらせが本当なら裁判で分かるでしょう!
そもそも、手書きのメモ用紙1枚で誰が信用するのでしょうか?
M子さんは心からそう思いました。
結局、どんなにB社と話し合いを重ねても、
というこれらの質問に、B社からの明確な回答は得られませんでした。
そんなわけで、M子さんはこの申し込みを白紙に戻したいと強く思いました。
Bガス会社との契約を白紙に戻したいのと、Aガス会社との契約も打ち切りたいのとで、板ばさみになってしまったM子さん。しかし、ガスに関しては全くの素人にしかすぎません。いったいどうすればよいのか見当もつかないまま、M子さんはトラブル回避のために色々と解決策を探しました。ネットでいろいろ調べてみるとプロパンガスの料金がいかに法外な設定をしているのかということがたくさん暴かれていました。そこでやっと、私たち一般社団法人であるプロパンガス料金消費者協会を見つけたのだそうですが、電話で問い合わせをしてくれたばかりのM子さんにとっては、私たちのお話しするプロパンガス会社のだましのテクニックはまるで信じられないような話ばかりだったそうです。
そもそも、M子さん宅にとび込み営業をかけてきた営業の女の子はB社の社員などではありません。彼女は別会社のブローカーにすぎないのです。販売店が特別に安く設定した見せかけの安価なプロパンガスの料金を提示することで、新規のお客さんと契約するのが仕事なので、契約さえとったらその後は我関せず。値上げに気づいたお客さんから「約束が違う!」と苦情がきてもB社のことなので「うちはカンケーありません」と知らんぷり。
B社にしてみても、最初の安い単価では赤字価格なので経営が成り立つはずはありあません。「ブローカーが勝手に設定した価格なので値上げします!」と言ってお客さんの苦情は一切受け付けないという強硬なスタンスのまま一歩も譲りません。
M子さんはプロパンガスの価格設定にこんな巧妙なからくりがあるとは想像もつきませんでした。ましてや、自分がこんな悪徳ガス会社の餌食になってしまうとは思いもよらなかったので、もう怒り心頭です。
ともかくもこうしてM子さんは、当協会のスタッフのアドバイスもあって、これから果敢に撤回行動を起こす勇気がわいてきたのです。
さて、当協会のスタッフの助言とは、次のようなことでした。
新しいガス会社さんは、プロパンガス料金消費者協会の趣旨に賛同している良心的なガス会社さんを私たちが紹介いたします。いくら良心的なガス会社さんとはいえ、あらためて新規契約となると、なんだかやっぱりめんどうくさいような気がしますが、ご安心ください。これらのことはすべて電話一本で対処できますので、M子さんのような忙しい主婦でも大丈夫。さまざまな確認事項などはすべて一般社団法人のアドバイザーが懇切丁寧に電話で指導いたします。
例えばM子さんの場合、
基本的にはすべて電話対応でガス会社を切り替えられることを思えば、日中の空き時間をやりくりして安いプロパンガス料金になれば、家計はうんと節約できます(「プロパンガス代は約30%節約できる!」参照)。
こうしてM子さんはまず、B社へ断りの電話をかけることから始めました。
この間の会話は2分とかからず終了~。
かなり手ごわいとですよとの評判とはうってかわって、意外にも電話でのB社の応対はあっさりと終わってしまいました。M子さんはちょっと拍子抜けでしたが、あくどいB社のこと、このまますんなりといくはずがないと、それなりの覚悟はしています。ここはひとまず、なんとか無事にクリアできたということで、とりあえず次へ駒をすすめます。
その後、M子さんからすぐにプロパンガス料金消費者協会へお電話をいただいたので、私たちはさっそく、現在のガス会社を解約し、良心的な新しいガス会社さんを紹介してもらいたいとのM子さんの意思を正式な通知としてお受け付けいたしました。当協会としても、この種のトラブルについてはクイックに対処すべく、早急に新しいガス会社さんをお探しいたしました。
これまで泣き落としのような営業攻勢をしかけられていたM子さんは、当協会の紳士的な対応に、胸のすく思いだったそうです。私たちとしましても、ホームページにも謳っているとおり、「消費者保護の観点から公正な競争を促進し、適正価格の維持をめざします。」との方針で、無償でプロパンガスの高い料金に苦しめられている消費者の救世主になれることは最大の喜びですので、このようなことは特別なことではありません(「優良ガス会社の無料紹介」参照)。
さて、気がかりなのは、B社の動き。解約を電話で申し出てから5日も経っているのにM子さんの元へ委任状らしきものはいっこうに返却されてきません。どうやらB社は電話でのキャンセルを無視して委任状を返却せず、そのまま工事を強行するつもりのようです。
そんなM子さんの不安を知ってか知らずか、またまたM子さん宅のインターホンをピンポーンと鳴らす人があらわれたのです。
それは誰あろう、なんと、現在契約中のAガス会社の男性二人組でした。Aガス会社の存在などすっかり忘れていたM子さん。きっと解約の引き止め作戦に来たに違いないと一瞬ひるみますが、ここは毅然とした態度できっぱり縁を切るべく再び闘志をふるいたたせました。
Aガス会社と12年間付き合ってきたM子さん、ついつい色々なことを想い出してしまいます。今まで何も知らずにどんだけ高いプロパンガス料金の単価でこの人たちを儲けさせてきたのだろう・・・。
今さらBガス会社に近い単価に落すといわれてもねぇ、230円じゃ赤字なんでしょ?
ちょうど現在のAガス会社と解約するつもりだったM子さんでしたので、A社の方からわざわざ訪問してきてくれたのは飛んで火にいる夏の虫。良心的なガス単価を提供しているとは思えない現在のAガス会社をその場でキッパリと解約してしまいました。
とはいえ、5日経っても委任状をいっこうに返そうとしないB社の不穏な動きに対するイヤな予感はやはり的中していたようです。M子さんはまた不安になってきました。
Bガス会社がそうやって委任状を活かし続けるつもりなら、そのうち工事の担当者から「明日8日に工事をしますね」って確認の電話がくるはず。
印鑑ついた以上キャンセルの効力なし。と言われたらどうすれば良いのだろうか。
心配になったM子さんからまたまた、当協会に電話が入りました。
なるほど!
今度新しく契約するガス会社さんが本日午後、契約のためにM子さん宅へ来る予定なので、そのときに相談すればよい!というアドバイスを得たM子さんはホッとしました。良心的なガス会社さんだけあって、こんなことにも相談にのってもらえるなんて感激です。
M子さんはとりあえず、ひと安心しました。
そうこうするうち、案の定、Bガス会社の工事担当の男性から、「明日午前中に工事にうかがいます!」という、なんとものんきな電話がM子さん宅へかかってきました。
思ったとおりB社は切り替え工事の人にキャンセルの話を伝えていませんでした。
M子さんは当協会のアドバイスどおり、さっそく強気の行動に出ました。
これっきり、Aガス会社もBガス会社も何も言っては来なくなり、何のトラブルもなく永遠のサヨナラとあいなったそうです。
さてさて、ぼったくりAガス会社からの引き止め営業の二人組が帰ったあと、午後には今後お世話になるCガス会社の営業さんがM子さん宅をご訪問。
悪徳ガス会社たちとはうって変わって、当協会が提携しているガス会社さんは、M子さんたち一般消費者にご安心いただけるようにと、詳細料金の一覧表をお渡ししているほどの手厚いビジネススタイルで営業しています。M子さんはシビレてしまいました。手書きメモの紙切れ1枚でごまかしたBガス会社とは大違いです。しかも、後日、郵送でお届けする「念書」には、ガス提供料金をはっきりと記載しています。Bガス会社のように、プロパンガスの悪徳な料金値上げや事後報告もないのでご安心いただけます。M子さんにとって何よりも嬉しいのは、これまで長年契約していたぼったくり料金のAガス会社に比べたら安いこと!安いこと!
契約の際には、このCガス会社の営業さんから、M子さんは数々の安心条件を保証いただいたそうです。ついでに悪徳業者のプロパンガス料金のカラクリも聞かせてもらい、今度こそM子さんは気持ちよく委任状に印鑑を押せたのです。
あとは1週間後の切り替え工事を待つばかりです。プロパンガス業界には、「1週間ルール」というのがあり、それは、現在使っているガス会社に切り替え通達してから新ガス会社が実際に切り替え工事するまでの間、まるまる1週間の猶予を設けなければならないのです。ですので、M子さん宅が新料金体系でガスを使えるのは一週間後からとなります。M子さんは今から1週間後が楽しみでならなくなりました。
M子さん曰く、この一週間はとても勉強になったということです。今まではガスの検針票をもらうと、請求される合計金額だけを見て「今月は高いな」と思うことがあっても、「使用量が多かったんだ!」とだけ考えていたそうです。ガスの1m3あたりの単価や基本料金などのカラクリに何の疑問も持つことなく、ガス会社の請求どおりに毎月自動引き落としされるがまま。
今まで何も考えずにガスを使ってきたけれど、これからの私は違うわよ!とM子さんは決意しました。実際、自宅のガスメーターの数字をちょくちょく見て1日の使用量を知ると、今日は昨日より0.1m3でも節約するっ!という気になるそうです。
とにかく、今後はC社にガスを供給していただくことになり、ほっとひと安心。
来月からガス料金の請求書を見るのが楽しみです♪
新しいガス会社さんの工事を心待ちにいている間、これまで12年間の長きにわたって契約していたAガス会社からM子さん宅へ、最後の検針票が届きました。
先週、M子さん宅のガス会社変更の情報を聞きつけるや早々と引き止め営業に飛んできたぼったくりのAガス会社でしたが、M子さんがキッパリ「縁を切ります」と通告すると、「値下げしますから今後もお付き合いをお願いしますよ~」と言ってすがりついてきたはず。なのに、解約が決定するとどうでしょう。安くするどころか、逆に、1m3当たりなんと、3円値上がっていたのです!!!
M子さんはプロパンガス会社の汚い料金設定のやり口に今さらながら呆れ果ててしまいました。
そもそも、検針票のどこにも「値上げします」という文言は記載されておらず、「基本料金+使用量」の合計金額だけがアッサリと記載されているだけだったそうです。もちろん1m3あたりのプロパンガスの単価など、検針票のどこにも書かれてはいません。
ちなみに、今月のM子さん宅のガス使用量は、31.1m3で、請求金額は、15,733円。
試しにこれを、一般社団法人プロパンガス料金消費者協会のホームページにある料金自動診断ページで診断してみると、こういう結果になります。
結局、M子さんは、もういっそのこと、値上げされたガス代は手切れ金として払いましょう!と考えることにして腹立つ気持ちをなんとか沈めたのでした。
さて、ちょうど1週間後の今日は、待ちに待ったプロパンガスの切り替え工事日です。予定通り、Cガス会社の若い営業さんと工事の男性がM子さん宅を訪れましました。
大掛かりな工事を予想して、ほうきや雑巾をたくさん用意して待機していたM子さんでしたが、プロパンガスの切り替え工事自体は1時間足らずで、あっという間に終了。今まで契約していたAガス会社のガスボンベが撤去された場所に、Cガス会社のガスボンベが立ちました。もちろん、ガスメーターも新しくなりました。
ボンベが設置されてから約24時間後にガスメーターを覗いてみると、たった1日で1.7m3使っていました。
やっぱり我が家は一ヶ月30m3以上使ってしまうのかと、M子さんは反省しきりです。たとえ良心的なガス単価になったとはいえ、賢い主婦のM子さんは俄然、今後もガスの節約を決意するのでした(「プロパンガス代節約方法」参照)。
けれども、こんなふうにガス料金にシビアになったことがこれまで一度もなかったM子さんにとっては、当協会に相談して本当によかったとつくづく思われたということです。
後日M子さんから、一般社団法人プロパンガス料金消費者協会のスタッフへ、これまで本当に信頼できる味方のような存在で支えてくださったことを心より感謝いただいたときには、私たち一同、恐縮しきりでした。
M子さんは、ボンベの切り替え工事も滞りなく終了し、晴れて良心的な新ガス料金でプロパンガスを使用できることの喜びと感謝を丁重に述べられましたが、私たちとしましても、消費者保護の観点から一般社団法人としての活動をしている手前、このようなガスのトラブルがひとつひとつ解決されることは、まるで自分のことのようにうれしく思います。
そうそう、そのときに、ふと、M子さんが、「毎月、我が家のガス使用量は30m3を越えてるんです・・・」とおっしゃったので、私たちはさっそくガスの節約術をFAXで送信してさしあげました。
さてさて、このようなことは珍しいことなのでしょうか?いえ、そうではありません。似たようなことは頻繁に起こっていることなのです。皆さんも格安料金での売り込みにはくれぐれもご注意ください。そうそう、こちらも是非読んでおいてください。