プロパンガスとは

プロパンガスとは、石油精製の副産物である液化石油ガスで、主にプロパンとブタンで構成された可燃性のガスのことを指します。別名「LPガス」と呼ばれることもありますが、全く同じものです。

プロパンガスは、常温常圧では気体状態で存在しますが、液化することで輸送や貯蔵が容易になるという特徴を持っています。

高い燃焼効率と石炭や天然ガスより二酸化炭素排出量が少なく、クリーンな燃焼による環境負荷の低さから、家庭用燃料としてガスコンロや給湯器、暖房機器などに利用されています。

ただし、プロパンガスは可燃性ガスであるため、取り扱いには十分な注意が必要です。また、一定の安全基準をクリアしたガスボンベに入れて貯蔵する必要があります。

プロパンガスと都市ガスとの違いとは

日頃は意識してガスの違いを考えることはないと思いますが、引っ越しなどで新しいガス会社と契約を結ぶ際に、プロパンガスと都市ガスの違いを知る人が多いのではないでしょうか。両者の違いについて簡単に見ていきましょう。

原料の違い

プロパンガスは、石油精製の副産物である液化石油ガスのことです。主にプロパンとブタンの混合物で空気より重いです。一方、都市ガスは天然ガスを主原料としており、メタンが中心となっているため空気より軽いです。

性質の違い

プロパンガスは、都市ガスに比べて燃焼時の発熱量が2倍以上高いので、例えば火力の強さが重要とされる中華料理店などは、プロパンガスを使って調理していることが多いです。

一方で都市ガスは、プロパンガスに比べて燃焼時の発熱量が低いですが、火力発電などにも利用されるなど、多様な用途で使用されます。

供給方法の違い

プロパンガスは液体の状態でボンベに入れられてトラックで配送されます。各家庭ではボンベが屋外に設置されて使用されます。使用する時には、プロパンガスは、ボンベから圧力調整器を通して圧力を下げ、気体の状態でガス機器へ送られます。

一方で都市ガスは、供給元の都市ガス会社が貯蔵しているガスを、各家庭へ地下の配管を通じて直接供給します。そのため、都市ガスの配管が通っているエリアでないと利用することができません。

プロパンガスは、各家庭が独立して供給を受ける仕組みのため、災害時でも比較的復旧が早いエネルギーです。都市ガスは、地震や大雨などの災害によって配管がダメージを受けると、供給がストップしてしまう可能性があり、復旧に何ヶ月もかかってしまいます。

価格・料金体系の違い

プロパンガスはボンベに充填され、トラックで配送されるため、都市ガスに比べてコストが高く、単価も都市ガスに比べて割高のエリアが多いです。

ただし、都市ガスの場合、配管が自宅近くまで整備されていなければ、新たに本管から配管を引き込む必要があるため、工事費の負担が生じてしまいます。

プロパンガスは従来から自由料金制であるため、ガス会社によって単価が異なるのが特徴です。

都市ガスは、2017年まで政府によって規制された料金制度だったこともあり、単価が地域内で大きく異なるケースは少ないですが、大手と中小とでは2倍以上の料金差があるケースもあります。

＜関連記事＞：プロパンガスは安くできる！プロパンガスと都市ガスの料金比較とガス代を安くする方法

プロパンガスと都市ガスの違いは次のとおりです。

プロパンガス（LPガス）のメリット

プロパンガス（LPガス）には、先ほど解説した特性により、次のようなメリットがあります。

全国どこでも利用できる

プロパンガスはガスボンベで各家庭に供給されるため、基本的には全国どこでも利用できます。都市ガスの場合は、地下に敷設されているガス管で供給されるため、ガス管が整備されている都市部でしか使えません。

人口の少ない地方や山間部などでもガスが使えることが、プロパンガスの最大のメリットです。

災害時の復旧が早い

都市ガスは、地中に埋設された導管を通して地域全体に供給されます。そのため、地震などで管が損傷すると安全のために一帯の供給を一時的に止め、点検後に順次復旧します。

一方、プロパンガスは、各家庭に独立して供給されるので、災害発生時は安全確認が済んだ家庭から個別に利用を再開できます。このように、災害時の復旧が早く、安心して利用できることもプロパンガスの魅力です。

CO2排出量が少ないエネルギー

プロパンガスは同じ化石燃料の中でも、石炭や重油・ガソリンなどと比べて炭素含有量が少なく、燃焼効率が高いためCO2排出量が相対的に少ないです。

さらに硫化物などの有害物質の発生量も少ないため、環境にも人体にも優しいエネルギーだといえます。そのため、屋内でも安心して使用できるでしょう。

プロパンガス（LPガス）のデメリット

一方でプロパンガスには、次のようなデメリットもあります。

都市ガスよりガス代が高い傾向がある

プロパンガスは都市ガスよりガス代が高くなりがちです。その理由として、プロパンガスは自由料金制でガス会社が自由に価格を設定できることや、価格競争が起きにくい業界体質が続いていたことなどが挙げられます。

不透明な値上げのリスクがある

原油価格が高騰するなど、やむを得ない事情で行われる値上げは仕方ありません。しかしプロパンガス会社のなかには、こうした事情以外の不透明な値上げを繰り返し行うところも珍しくありません。

だからこそ後述するように、適正価格でプロパンガスを提供する、「良心的なガス会社」を選ぶことが大切なのです。

プロパンガスの料金体系とは？

プロパンガスには、事業者によって次のような料金体系があります。

二部料金制

二部料金制は「基本料金」と「従量料金」の2段階で構成された料金体系です。つまり、ガス料金は「基本料金+従量料金」で決まるということです。

基本料金は一律に設定されているもので、設備費やメンテナンス費などが含まれます。従量料金にはプロパンガスの原材料費や配送費が含まれており、「従量単価×ガス使用量」で算出されます。

三部料金制

三部料金制は、二部料金制の「基本料金」「従量料金」に加えて、「設備利用等料金」の3要素で構成される料金体系です。プロパンガス料金の透明性を担保するために、基本料金と設備利用等料金を分離していることがポイントです。

なお設備利用等料金には、配管・給湯器などの設備費やガス漏れ警報器の利用料などが含まれます。

最低責任使用料金制

最低責任使用料金制は、最低責任使用量（ある一定のガス使用量）までは固定料金制で、それ以上の部分は従量課金制とするものです。

つまり、ガス代は「最低責任使用料金＋従量料金」となります。最低責任使用量を下回った場合でもガス代は安くならないので、使用量が少ない場合は割高になる傾向があります。

プロパンガスは料金が高いと思っている方に朗報

さまざまな違いのあるプロパンガスと都市ガスですが、もしどちらも選べるのであれば、価格の安さから都市ガスを選ぶ人が多いかもしれません。

プロパンガスってそんなに高い？

プロパンガスは実際高いです。最大の理由は、全国のガス会社の90%くらいは零細企業だからです。

彼らの顧客数は、平均200戸くらいです。200戸から平均月額3,000円の利益があっても粗利は60万円です。だから小売店は、問屋さんからの卸売価格にマージンを大きく上乗せせざるを得ないので小売値が高いのです。

そして、プロパンガス料金消費者協会が問屋さんから直接供給してもらう「適正価格」であれば、都市ガスと大きな差は出ません。埼玉県の例で確認してみましょう。

（価格：税込）

適正価格のプロパンガスに乗り換えると、これほど大きな差が出るのです。プロパンガスをご利用中の方は、一度こちらの料金診断をお試しください。

＜関連記事＞：プロパンガス料金の適正価格 2025

適正価格でプロパンガスを利用するには？

現在利用中のプロパンガス会社の料金が適正価格より高い場合は、プロパンガス料金消費者協会にご相談ください。協会は、プロパンガスの不公正な料金体系を改善するために独自の適正価格を定めており、この適正価格に賛同してくれるガス会社と提携しております。

現在の会員ガス会社数は全国に130社（支店・営業所数で1,450か所以上）と、さらに拡大を続けています。その結果、沖縄を除くほぼ全域で適正価格のプロパンガスをご利用いただけるようになりました。

協会へご相談いただくと、適正価格でプロパンガスを供給する優良会社を迅速にご紹介します。もちろん相談は無料で、面倒なお手続きなしで切り替えていただけます。

プロパンガス料金消費者協会には「ガス料金見守り保証」があります！

「最近プロパンガス料金が知らないうちに値上げされていないだろうか？」とご心配の方は、一度協会にご相談することをおすすめします。

協会では、全国130社以上（2025年10月時点）の優良ガス会社と提携しており、いずれも協会が提唱する適正価格での供給に賛同しています。

これを保証するために、協会の紹介でガス会社を変更した方には「ガス料金見守り保証」という無料の永久保証制度があります。

これは、万が一ガス会社が不透明な値上げを行った際は、ご連絡をいただくことで協会が責任を持ってガス会社と交渉し、プロパンガスの適正価格を維持できるように保証するものです。

これにより、ご紹介する会社に切り替えることで、不透明な値上げの不安なく長期的にご利用いただけます。

＜関連記事＞：ガス料金見守り保証

よくある質問

協会のプロパンガスについて、よくある質問をまとめました。

適正価格と平均価格は何が違いますか？

「適正価格」とは、一般社団法人プロパンガス料金消費者協会が独自に提唱している価格です。「プロパンガスの平均価格は、大手都市ガスの1.8〜2倍高いので1.2倍程度までに抑えられないか」と考えた末に実現した価格です。

平均価格は、全国のガス会社がエネ研／石油情報センターに報告している一方的な価格の平均値ですので全体的に大変高くなっています。

＜関連記事＞：プロパンガス料金の平均や相場ってどれくらい？安くならないの？

なぜ協会経由だと安くなるのですか？

協会が紹介するガス会社では、通常の流通経路を1段階スキップすることで、安い価格を実現しているからです。

つまり通常③の小売店を省き、②卸売り会社から③消費者に直接お届けすることで、中間マージンをカットしています。これにより、現状よりも安い価格でプロパンガスをご利用いただけるのです。

＜関連記事＞：ガス会社の変更でガス代30％削減！

プロパンガス料金消費者協会では、料金や契約に関するご相談を受け付けています

プロパンガスは、どこでも利用できることや、災害時の復旧が早いことが魅力です。「都市ガスより高い」というイメージがあるプロパンガスですが、良心的なプロパンガス会社を選ぶことができれば、都市ガスとほとんど変わらない料金でガスが使えるようになるでしょう。

「一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会」では、現状よりお得な価格でプロパンガスを供給できる、優良ガス会社をご紹介します。協会によると、平均して37％安くなった実績があり（2024年3月調査）、ガス料金を安くできる可能性があります。

さらに、プロパンガス料金消費者協会では適正価格の「永久保証」を実現しており、利用者の皆さまは「不当な値上げ」を心配せずに済みます。

万が一、ガス会社都合の理由で不透明な値上げをした場合、協会が責任をもってガス会社と交渉し、価格を適正に維持できるよう調整します。

「新築や引っ越しで新しくガス会社を選びたい」「ガスを安く使いたい」といったお悩みがある方は、一度プロパンガス料金消費者協会にご相談することをおすすめします。