プロパンガスの使用量を表す単位は、m3です。読み方は「立方メートル」もしくは「立米」(りゅうべい、リューベ)といいます。
立米は、ガスボンベの容積や充填する気体の体積を表すものとして、土木・建築・水道などの分野で主に使用されています。
都市ガスやプロパンガス(LPガス)は、液体から気体にすることでガスとして利用できます。 特にプロパンガスは、気体のガスを加圧して「液化石油ガス」にすることで、ボンベなどの容器に詰めて持ち運びできます。液化されたガスは、圧力調整器によって常圧に戻すことで再び気化され、ガスとして利用されます。
液体の状態の1kgは、気体になると約0.5m3になるので、LPガス10kgを完全に気化させてガスメーターを通過させた場合、5m3程度のLPガスになります。
一般家庭で利用されている50㎏のプロパンガス容器には、25m3弱のプロパンガスが入っています。1ヶ月に1本のボンベを交換しているとすると、1ヶ月に25m3のプロパンガスを利用しているということが分かります。これも使用量の一つの目安になりそうです。
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プロパンガスは、電気や水道と同じように、請求書に使用量(m3)が記載されます。
一般的に、プロパンガスの請求額の内訳は、基本料金と従量料金に分かれます。基本料金は毎月決まった固定額で請求されますが、従量料金は、ひと月に使ったプロパンガスの利用額として請求されます。
この従量料金は、ひと月のプロパンガスの使用量に、従量単価と呼ばれる1m3当たりの単価をかけることで算出されています。
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ガス代が高くて困っている方は、この従量料金が高いかどうかが決め手となります。
従量料金が高い理由は以下の3つが考えられます。
この3つのうちのどれかにあてはまれば、お宅の「プロパンガス料金は高い」ということになります。
さて、プロパンガスの使用量をいかにして抑えるかというのは、難しい問題です。けれど、一般家庭の平均的な使用量が分かれば、自宅のプロパンガスの使用量が適正かどうか、比較することはできます。
しかし、プロパンガスの使用量は、プロパンガスの利用環境によって大きく異なります。
例えば、プロパンガスをよく利用する場所は、風呂場やキッチンになりますが、このような場所でのガスの使い方は、地域や季節ごとの寒暖差や、同居する家族の人数で大きく違ってきます。
そこで、ここでは、プロパンガスの利用環境を、地域、季節、世帯人数の3つに分けて、一つずつ検証してみましょう。
当たり前ですが、プロパンガスの使用量は、温暖な気候の関東と極寒の地である北海道では全く異なります。
そこで質問です。
「北海道と関東では、どちらの地域がプロパンガスの使用量が多いでしょうか?」
当然、「寒い地域の北海道の方が使用量が多い」と答える方が多いでしょう。しかし実はそうではありません。
下記の表をご覧ください。北海道は日本の地域の中で、実は一番プロパンガスの使用量が少ない地域なのです。
エリア | 年間平均使用量 |
---|---|
関 東 | 11.4m3 |
北海道 | 4.0m3 |
東 北 | 7.1m3 |
甲信越 | 8.5m3 |
東 海 | 10.5m3 |
北 陸 | 8.4m3 |
近 畿 | 10.8m3 |
中 国 | 8.6m3 |
四 国 | 8.5m3 |
九 州 | 7.6m3 |
※ 一般財団法人 日本エネルギー経済研究所石油情報センター「プロパンガス消費実態調査」より
上記の表を見てみると、北海道の他にも、東北や九州でもプロパンガスの平均使用量は少ないことが分かります。
九州地方の平均使用量が少ない理由は、気候が温暖であることに尽きます。
しかし、寒冷地であるはずの北海道や東北でも、プロパンガスの平均使用量が少ないのは、別の理由があります。それは、北海道や東北ではプロパンガスの代わりに灯油が主な熱源として古くから利用されているからです。
例えば、北海道の家庭で一般的に使われている暖房器具は、灯油を利用する石油ストーブですが、そのほとんどが、住宅の外に煙突が付いている煙突式石油ストーブやFF式ストーブと呼ばれる特殊なものです。
これらのストーブは、外へ排気を行うので定期的に換気をする必要がありません。常時つけっぱなしにすることができるので、換気による温度の低下もなく、安定した室温で快適に過ごせます。
北海道や東北でプロパンガスの使用量が極端に少ないのは、灯油が広く普及している地域の特性が大きく影響していることが分かります。このような地域では、プロパンガスを使うのはガスコンロだけなので、他の都府県に比べて使用量が少なくなるのも当然といえます。
あなたのお住まいの地域の平均使用量はどうでしたか。
平均使用量は大差なくても、請求額が高いと感じるなら、従量単価が高いせいかもしれません。使い過ぎで使用量が多いのか、従量単価が高いのか、よく見極めた上で判断しましょう。
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プロパンガスの使用量は、夏に少なく、冬に多くなります。どの地域にお住まいの方でも、寒い冬には湯船につかる頻度が高くなるため、ガスの利用頻度はグンと高まります。
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冬場の使用量が増す根本的な要因としては、夏と冬の水温差が約20度近くある場合です。(東京都水道局の令和元年度データより)。 同じ温度まで水を沸かす場合、冬場は水温が低いため、高温にするまで時間がかかります。そうなると当然、ガスの使用量は多くなります。
特に寒さが厳しい1月~3月頃の冬場は、ガス代の平均使用量は一年で一番多くなります。7月~9月の夏の時期に比べると、冬はガス代が2倍~3倍になる家庭もざらにあります。
冬のガス料金を抑える工夫として、お風呂の追い炊き回数を減らすことや、お風呂のフタを二重に敷いてお湯の保温効果を上げたり、節水用シャワーヘッドを利用するのもよいでしょう。
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プロパンガスの使用量は、ガスを使う世帯人数によっても大きく違ってきます。
例えば、単身者ならお風呂は一日1回で済みますが、4人家族なら単純に4倍です。家族の人数が多くなればなるほど、それだけひと月の使用量も多くなります。
試しに、プロパンガスの使用量を、世帯人数別に調査した結果を見てみましょう。
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世帯人数 | プロパンガス月平均使用量 |
---|---|
1人暮らし・2人暮らし | 6.5m3/世帯 |
3人暮らし | 8.9m3/世帯 |
4人暮らし | 11.3m3/世帯 |
5人暮らし | 11.7m3/世帯 |
6人暮らし | 12.0m3/世帯 |
7人暮らし以上 | 11.8m3/世帯 |
※エネ研・石油情報センター「プロパンガス消費実態調査」結果より
全国各都道府県の平均価格と適正価格については、「プロパンガス料金の平均と相場」で確認できます。
いかにLPガスの使用量を減らすかは、家族一人一人の心がけが大事ということがお分かりいただけると思います。
特に、ガスを使うシーンで一番大きな割合を占めるのがお風呂です。お風呂の入り方を家族で工夫することが一番効果的ということになります。
例えば、お風呂での節約方法には、次のようなものがあります。
このようなこまめな工夫の積み重ねは、ガス代を節約する上では非常に有効です。 特に、いちばん最後に挙げた「給湯器を交換する」方法は、ガス代を節約するという観点からは、意外な盲点といえます。
「給湯器の耐用年数なんて考えたこともない!」という方は、要注意です。 ほったらかしにしていた給湯器が原因で、ガス代が高くなっているかもしれません。この点について、詳しく説明します。
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プロパンガスの使用量には、給湯器の品質と関係があることが分かっています。
一般的に、給湯器の耐用年数は8~10年程度と言われています。しかし、耐用年数を過ぎても特に不具合や異常を感じないから大丈夫と考える人は多いです。
でも、給湯器は目に見えないところで劣化が進んでいます。
給湯器は10年以上使うと、熱効率や給湯能力が目に見えて落ちてきます。プロパンガスの使用量を抑えるために、涙ぐましいガスの節約生活を実践したところで、給湯器そのものが劣化していては、まったく意味がありません。このような方には、給湯器の交換をおすすめします。
最新の給湯器ならエネルギー効率も良く、販売価格も安いものがあるので、ガス代節約にもつながります。
給湯器の種類はいろいろありますが、メジャーなものとしては、エネファーム、エコウィル、エコジョーズ、エコキュート、エコワンなどの製品があります。ここでは「エコジョーズ」の性能について簡単にまとめてみました。
エコジョーズは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器です。お湯を沸かす時に出る高温の排気熱を利用して水を温めるので、従来よりも少ないガス消費量で効率よくお湯が沸かすことができます。
高効率 | 従来型給湯器 熱効率80% エコジョーズ 熱効率95% |
少ないガス使用量でたくさん沸かせます。 |
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節約 | 従来型給湯器と比較して エコジョーズ 約11%カット |
熱効率がアップすれば使うガスの量も少なく済みます。 |
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環境性 | 従来型給湯器と比較して エコジョーズ 約11%カット |
排気熱を上手に活用しているからCO2排出量を大幅に削減します。 |
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※参考:リンナイRVD-A2400AW2-1(A)とRVD-E2405AW2-1(A)の比較
エコジョーズには、16号、20号、24号のタイプがあり、追い焚き機能付なら価格帯は20~30万円前後、耐用年数(寿命)は10年が目安となっています。従来型の給湯器に比べて費用は少し高くなりますが、ガス代は安くなるので、元を取ることができます。
この他の節約方法については、「プロパンガス代は約30%節約できる!」のページで紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。プロパンガスの使用量を減らすノウハウは、いますぐ実践できることばかりなので、試してみる価値ありです。
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さて、ここまで見てきたように、プロパンガスの使用量は、地域の特性や季節の寒暖差、また、何人家族かなどによって、大きな差があることが分かりました。
自分の家が平均使用量より多く使っているなら、家族で協力してガスの使い方を工夫すれば、ガス代を下げることができるかもしれません。
しかし、使用量は平均並みなのに、請求額だけが平均より高いという家庭は、そう簡単にガス代を安くすることはできないでしょう。
なぜなら、このケースの場合、プロパンガスの従量単価そのものが高い可能性があるからです。
従量単価が高いと、どんなに使用量を減らしたところで、たいした節約はできません。
やっかいなことに、この従量単価は個人の努力で下げられるものではありません。というのも、従量単価の値段は、現在契約しているガス会社が独自で決めたものだからです。
いまだに知らない方が多いのですが、プロパンガスは昔から自由料金制です。ガスの販売価格は、ガス会社が自由に決めることが許されています。
冒頭にも書きましたが、ガス料金は、ひと月のプロパンガスの使用量に、従量単価と呼ばれる1m3当たりの単価をかけることで算出されています。
この従量単価の販売価格が、各社でバラバラだということを知らない人は意外と多いのです。そのため、運悪く料金が高いガス会社と契約してしまったために、毎月高額なガス代を払い続けている方は数多くいます。
使用量はそれほど多くないのに「毎月のガス代が高い」、あるいは「年々ガス代が上り続けている」というような方は要注意です。 当協会へはこのような相談が数多く寄せられますが、そのほとんどがいい加減なガス会社による高額な従量単価の設定が原因です。
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だからといって、ガス会社に文句を言っても何も解決しません。
よく、契約しているガス会社の料金が高いと分かると、「もっと安くしてほしい」とガス会社を相手に料金交渉する人がいますが、これはあまり得策ではありません。
ガス会社によっては、すぐに値下げを了承してくれるところもあります。しかしこのようなガス会社は、その後、ほとぼりが冷めた頃にまた少しずつ値上げを始めるので、油断できません。
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プロパンガスの料金は、適正な価格を長く維持できる優良なガス会社と契約しなければ、節約メリットはないと理解すべきです。 つまり、ガス代を安くする一番の解決方法は、適正価格のガス会社に変更することなのです。
しかし残念なことに、プロパンガス料金が自由料金であることを知らない人は、ガス会社を変更できるということすら知りません。
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前述したように、プロパンガスは自由料金制なので、ガス会社が自由に販売価格を決めています。 そのため、高いガス会社もあれば、良心的なガス会社もあるわけで、消費者としては、賢くガス会社を選びたいところです。
しかし、世の中には、プロパンガスが自由料金制であることを知らないために、ガス会社を変更できることを知らない人がたくさんいます。 また、ガス代が徐々に値上げされても不信に思わず、使用量が多かったのかもと、反省して済ませてしまうような人も大勢います。
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そもそもプロパンガスは輸入商品なので、原油価格や為替の影響によるやむを得えない値上げはよく起こります。
けれども、原油高騰などの理由で値上げした場合、良心的なガス会社なら、相場が元に戻れば値上げした分を元に戻す処置をします。
これがいい加減なガス会社だと、値上げした価格はそのままで、決して値下げしてくれることはありません。それどころか、原油高騰がないときにも、適当な理由を付けて値上げするようなガス会社もあるほどです。
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このようなガス会社と長年契約しているとどうなるでしょうか。当然、顧客のガス料金は、上がることはあっても下がることはなく、ガス代は年々上昇していくことになります。
プロパンガス会社を選ぶ際に、このようないい加減なガス会社にしてしまうと損ばかりするのは明白です。
でも一般消費者には、どこが不当に高いガス会社で、どこが適正な価格のガス会社なのか、判断しようがありません。
ガソリンスタンドのように料金表が店頭に並んでいれば分かりやすいのですが、プロパンガスの場合は、各家庭で料金が違うのでそのような慣習はありません。
しかもプロパンガスの料金には、「平均価格」や「格安価格」など、消費者を惑わすような怪しい料金体系がいくつも存在しているので、さらにやっかいです。
自宅のプロパンガス料金が高い方は、ぜひ当協会の適正価格と比較してみてください。
適正価格は、「適正料金早見表」というページに掲載しています。
プロパンガスの料金は、都道府県ごとで料金差があるので、当協会の適正価格も地域ごとに料金差があります。上記の「適正料金早見表」のページには、都道府県別に加えて、市町村別の適正価格も掲載しているので、ぜひ一度ご確認ください。
その他にも、「ガス料金自動診断」というページでは、現在のガス料金が当協会の適正価格と比較してどれだけ高いのか、簡単に診断することもできます。検針票をお手元に置いて、ぜひ診断してみてください。
上記のページを参照いただき、自宅のガス料金がいよいよ高いと分かったら、躊躇なく当協会へご相談いただくことをおすすめします。
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1人暮らしと2人暮らしのプロパンガスの平均使用量は6.5m3で、3人暮らしだと、約8.9m3、4人暮らし以上なると、プロパンガス使用量はぐんと上がり11.3~12.0m3というのがおおよその使用量の平均です。あなたのプロパンガスの使用量がここにある平均使用量とさほど変わらないのに、それでもガス代が高い場合は、プロパンガスの従量単価が高い可能性があります。そのような方は適正価格のガス会社へ変更すればガス代は安くなります。当協会へぜひご相談ください。
あります。プロパンガスの平均使用量は、北海道、東北、九州で使用量が少なく、逆に、関東、近畿、東海で多いことが分かっています。ただし、寒い地域だからといってガスの使用量が多くなるわけではありません。例えば、寒冷地である北海道や東北におけるガスの使用量は非常に少ないのですが、これらの地域では、ガスの代わりに灯油が主な熱源として古くから利用されているためです。ガスの使用量に地域差はありますが、それは必ずしも地域の寒暖差に比例しているのではなく、あくまでも熱源の利用状況に地域の特性が反映しているに過ぎません。
本当です。プロパンガスの使用量は、季節や世帯人数ごとにある程度の平均使用量があります。もし自宅のプロパンガスの使用量が平均と変わらないのに、請求額だけが高い場合は、契約しているガス会社が設定した従量単価が高い可能性があります。自宅のガス料金が適正価格かどうか調べるには、料金自動診断をやってみましょう。
プロパンガスの請求額を主に占めている従量料金は、使用量×従量単価で算出されているので、使用量を減らすために涙ぐましい節約で半減させるようなことは現実的に無理です。ガス代が高い原因は、契約しているガス会社による不当な料金設定や、長年にわたる値上げがなどが一因の場合がほとんどです。このような人の従量単価は、適正価格の倍以上になっていることも珍しくありません。プロパンガスは自由料金なので、ガス会社は自由に選べます。高いガス会社と契約している人は、いますぐ適正価格のガス会社に変更すれば、ガス代は簡単に安くできます。当協会では適正価格のガス会社を紹介しているので、ぜひ一度ご相談ください。
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(R→K)
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