LPガス(プロパンガス)業界では、LPガス販売業者が、建築業者等に対し無償で消費設備の配管工事を行うことにより、消費者へのガス販売についての継続的権利を確保しようとするいわゆる無償配管の慣行が、広く行われてきました。そして、消費者がLPガス(プロパンガス)販売業者の切替えを行おうとしたときに、消費設備が無償で配管されていた場合、現販売業者が配管の所有権を主張し、消費者に高額な配管の買取費用を請求する等、LPガス(プロパンガス)販売業者の切替えをめぐりトラブルが起こっています。
なお、無償配管を行った場合、消費設備の所有権が、LPガス販売業者にあるのか、消費者にあるのかについては争いがありますが、LPガス(プロパンガス)販売業者の消費設備の所有権を否定する判決がいくつかあり、また、資源エネルギー庁の見解によると、LPガス販売業者は、通常、消費設備の所有権を主張できないとされています。
消費者がLPガス(プロパンガス)販売業者を切り替えるときに、消費者が消費設備を現販売業者から残存価格で買い取ることとすることは、前提として、消費設備の所有権が現販売業者にあることが前提となるものであります。
しかし、裁判所の判決や資源エネルギー庁の見解では、LPガス(プロパンガス)販売業者が消費設備の所有権を主張することは通常不可能であり、また、例外的に所有権がLPガス(プロパンガス)販売業者にあると認められる場合においても、消費設備の使用期間を考慮すると、精算するべき残存価値がないような場合も存在するとされています。
したがって、そのような切替えルールを定めることは、本来、金銭を支払わなくても LPガス(プロパンガス)販売業者の切替えが可能である消費者にこれを思い止まらせる効果を持つものと考えられることから、LPガス販売業者の顧客獲得競争を制限し、消費者の利益を不当に害し、独占禁止法上問題となるおそれがあります。
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