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エコキュートで健康被害か?

2014.12.24

ショッキングなタイトルの新聞記事です。

12/21付けの産経新聞にビックリするような記事が掲載されました。記事の内容に言及する前に、「エコキュート」そのものについて少し説明します。

エコキュートは給湯器の総称で、正しくは「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」といいます。電気でモーターを動かして空気の熱で湯を沸かすことが出来る物で、安い深夜電力を使ってお湯を沸かすので電気代の節約にもなると言われてきました。オール電化住宅では、このエコキュートが電気温水器とともにお風呂などの給湯を担います。そして冷暖房は電気エアコン。コンロはIHクッキングヒーターという組み合わせが多いです。

エコキュートは2001年に商品化され、2013年10月に400万台を突破しました。現時点での出荷台数は未発表ですが、推定420万台程度とみられます。しかし、最近の景気低迷で導入ペースは少し鈍っているようです。大ざっぱな導入コストは70~80万円ほど。IHクッキングヒーターとの組み合わせでは、100万円近くになりますから安いものではありません。

このエコキュート、以前からインターネットなどでは騒音被害のうわさが出回っていましたが、今回消費者庁の審議会である「消費者安全調査委員会」が、公式にエコキュートの低周波音が人体に影響した可能性がある。と公表したことは大きいです。

エコキュートの低周波音が原因で不眠症になったと申し出る人は結構多いのですが、今まで因果関係がハッキリしなかったために、被害の訴えは「無視」されたり、「被害妄想」だと言われたり、あるいは「神経質過ぎる」と非難されるなど、辛い思いを強いられてきたようです。

群馬県高崎市のご夫婦の場合、隣家にエコキュートが設置された平成21年の2月から不眠症などの症状が出て、隣家に対して運転差し止めと、機器や住宅メーカーに対して約270万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしていました。結果として原告側が完全勝利と言える和解が成立し、隣家は別メーカーの電気温水器を設置することになったようです。

今回国の機関が認めたことで、各メーカー(国内で10社が製造)は問題解決のための研究に向けて動き出すでしょうし、近い将来問題が解決された機種が登場することを願っています。